
試合は序盤こそ競った展開となったものの、ここ最近好調を維持しているオフェンスが爆発。最終的には14点差をつけて完勝し、DENの12連勝を止める大金星となりました。
これでチームは6連勝で11勝4敗。さらに翌日のINDの敗北により、2022年以来3年ぶりのプレーオフ進出を確定させています。
Final Score
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|
| JAX | 7 | 10 | 14 | 3 | 34 |
| DEN | 0 | 10 | 7 | 3 | 20 |
Inactives
JAX
#JAXvsDEN Inactives pic.twitter.com/J7oBJIzXzy
— Jacksonville Jaguars (@Jaguars) 2025年12月21日
Bhayshul Tutenは先週の怪我により、残りのレギュラーシーズンが欠場濃厚となっています。LeQuint Allenが代役を務め、先日契約したDeeJay Dallasがリターナーとして出場しました。
期待のルーキーDanny Striggowは怪我から復帰できず欠場。Walker Littleは脳震盪プロトコルを通過しアクティブとなりましたが、スターターはCVLのまま据え置きとなりました。
また、残念なのがMaason Smithです。ケガの情報は特になかったのでヘルシースクラッチではないでしょうか。前年2巡ですが、PS上がりのMatt Dickersonに序列を抜かれている現状は深刻です。来年にはチームにいない可能性すらあります。
DEN
👀 our inactives for #JAXvsDEN.
— Denver Broncos (@Broncos) 2025年12月21日
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元JAXでHOUにclaimされたのち、なんだかんだでDENへ移ったCody Schraderは欠場。情報収集のための契約だった可能性もあるのでしょうか?
その他は主力には大きな欠場はなく、G Ben Powers、WR Pat Bryantが復帰を果たしていたようです。
The Breakdown
オフェンスがリーグNo.1ディフェンスを圧倒
この試合最大の収穫は、リーグトップの守備力を誇るDENを相手に、JAXオフェンスが主導権を握り続けた点でしょう。試合全体でトータル346ヤード、うちパス265ヤードを記録し、ターンオーバー0で34得点を挙げました。特に3rdダウンでは15回中8回更新とドライブを継続し、さらにレッドゾーンでは5回中4回をタッチダウンに結びつけ、それぞれの分野でリーグ1位を誇るディフェンスを攻略しました。
JAXはBYE明けのLV戦から8試合連続で25点以上、平均33点を挙げるという素晴らしい記録を残しています。また、この6連勝の間、相手より113点多く挙げており、平均18.8点差と圧倒的です。2024年の1試合平均得点が18.8点だったことを考えると、驚異的な変化です。
前半は接戦、後半開始直後にはディフェンスのタックルミスからRJ Harveyに38ヤードTDランを許し17-17に追いつかれましたが、直後のシリーズでLawrenceの1ヤードQBランで再度リード。続くシリーズではParker Washingtonへの63ヤードのビッグゲインからETNへの10ヤードTDパスに繋げて突き放しました。その後はレッドゾーンで硬い守りに苦戦しながらCam Littleの26ヤードFGで点差を17点に広げ、試合を決定づけました。
強力DLをある程度コントロール
DENは今季63サックを記録するリーグ最高のパスラッシュを誇りますが、JAXのOLは粘り強く対応しました。
Lawrenceは5回のサックを浴びたものの、そのうち3回はスクランブル時のLOS付近でのタックルで、大きなロスや致命傷には至っていません。特に最初の2シリーズは強烈なプレッシャーを受けましたが、試合が進むにつれてポケット内での余裕も生まれ、落ち着いてターゲットを探す場面が増えていきました。
ランゲームではLawrenceのスクランブル込みで81ヤードとかなり抑えられましたが、それでも粘り強くランをコールし続け、試合終盤には打開の兆しが見えていました。
LTには引き続きCole Van Lanenが抜擢。試合序盤にPatrick Mekariが負傷退場するアクシデントがありましたが、代役としてMilumが出場するかと思われたところ、なんとLittleが入りました。練習でもRGには入っていなかったとのことで急な出番となりましたが、いつもCoenが言っているように、いつ自分の番号が呼ばれてもいいように準備をする、という文化が染み付いてきているのか、悪目立ちすることなく対応できていたように見えます。
AFC西地区をスイープ、西海岸への苦手意識を克服
DENに勝利したことにより、なんとAFC西地区をスイープしたことになりました。
One at a time.#DUUUVAL pic.twitter.com/KkrGpGAuIe
— Jacksonville Jaguars (@Jaguars) 2025年12月22日
特に西海岸のチームに苦手意識のあったJAXですが、今季はNFC西地区にも2勝2敗であり、今までを考えるとその苦手意識を克服して勝ち越しています。これはチームの文化が大きく変わった証とも言えるかもしれません。
Side Notes
危険なヒット
Trevor Lawerence takes a hard hit to the back when they had blown the play dead due to a false start and Broncos didn't hear the whistle pic.twitter.com/Ucw9wvdIcV
— Rate the Refs (@Rate_the_Refs) December 21, 2025
試合の序盤、イリーガルシフトでスナップ直後に笛が吹かれ、Lawrenceがプレーをやめたところで、無防備なところでタックルをかまされた危険なシーンがありました。おそらくディフェンダーに笛が聞こえていなかったと思われますが、日本人ファンはほぼ全員があるシーンを思い浮かべたと思います。とにかくケガしないでよかったですね。
疑惑の判定
事前にこの試合の審判団が判定に難がある、との情報がありましたが、実際その通りの展開になりました。お互いにとって疑問がありましたが、アウェイではあるもののJAXに有利な判定の方が多かったかもしれません。
自分は素人なので、誤審だ!とかは言わないしわかりませんが、首をかしげる判定がいくつかありました。
まずこれですが、Strangeに対してHufangaがディフェンスした場面ですが、ややヒットが早いようにも見えました。これくらいは普通でしょうか?
#Broncos safety Talanoa Hufanga tackles a Jags receiver before the pass gets to him
— Mikerophone (@MikerophoneNFL) December 21, 2025
There is no penalty on the play… 🥶
The Broncos defense has gotten some questionable calls against the jaguars… 👀
pic.twitter.com/TWTNfq4FUW
続いて、こちらはラフィングザパサーの判定になりました。「体重をかけた」、ということですが、正直ディフェンスに厳しいと思いました。
League officials seemingly have let a lot of ‘body weight’ calls go this year. Sort of surprising when they do call it. pic.twitter.com/Vb9sauyAgS
— Jeremy Fowler (@JFowlerESPN) December 21, 2025
これはAntonio Johnsonのアンネセサリーラフネスのシーン。肩から言ってるしセーフかなと思いましたが、微妙にヘルメットも当たっているから、ということなのでしょうか。
Unnecessary roughness? pic.twitter.com/WVeDIerLVA
— Fitz (@LaurieFitzptrck) December 21, 2025
Jarrian Jonesの身体能力と“伏線回収”
サイドラインで少し盛り上がっていたのがこのシーン。
Jarrian Jones showing his athleticism on the sideline with the hurdle lol pic.twitter.com/Curf4ruzCv
— Fitz (@LaurieFitzptrck) December 21, 2025
サイドラインに出てきたRJ HarveyをJarrian Jonesが飛び越える見事な身体能力が垣間見えるシーンですが、実は昨年、大きな話題となったSaquon Barkleyのバックハードルで飛び越えられていたのがJarrian Jonesでした。
OMG Saquon Barkley is out of this world ! How the hell you hurdle a defender with your back turned to him?!?! 😳😳😳 🦅🦅🦅 pic.twitter.com/NRM2o7069z
— Phresh™ 👑🇨🇩 (@PrinceByaza) November 3, 2024
ハードルされた男が今度はハードルを披露したということで、少し話題になってました。
Game Changing Play
ここでは2つのプレーを挙げようと思います。
一つは3Q残り4:55の自陣27ヤード、3rd&3の場面。更新のためにWashingtonのアウトに投げましたが、そこで2人のディフェンダーに囲まれながらその間をするする抜けて誰もいないフィールドを独走、63ヤードのビッグゲインとなり、その直後にETNへのTDパスでリードを14点に広げました(以下0:59~)。
Parker Washington 6 REC, 145 YDS, 1 TD vs DEN Today.pic.twitter.com/imbIgfJP7b https://t.co/YDKt3cBW6w
— Football Performances (@NFLPerformances) December 22, 2025
ここまで一進一退だったところを2ポゼッション差つけた決定的なプレーということでここで大きく流れが変わったのではないでしょうか。
もう一つは4Q残り8:12の自陣41ヤードまで攻め込まれた4th&2の場面。DENとしては逆転を狙うにはギリギリの時間帯で絶対に点を取りたい場面でした。そこで4thダウンギャンブルを狙いましたが、Bo NixはカバーされているPat Bryantにボールを投げ、危なげなくJarrian Jonesがインターセプトを決めました。これはDENの反撃ムードを断ち切るには十分なプレーとなったかもしれません。
📈 Stock Up
Trevor Lawrence
ここ最近の確変状態のLawrenceがこの日も続いており、以前とは別人のような安定感を発揮しています。パスは36回中23回成功、279ヤード、3TD、0INT、さらに6キャリーで20ヤード、1TDを記録しています。プレッシャーがかかる中でも落ち着いてターゲットを探せており、ほとんど危なげがありませんでした。特にこのパスは素晴らしかったです。
When Trevor rolls out to his left.. watch out. Defense has to keep their eyes on Parker Washington pic.twitter.com/dlBq7bLFJj
— Fitz (@LaurieFitzptrck) December 21, 2025
DENの素晴らしいパスカバーに対してターゲットが見つからず、プレッシャーもかかる中左側に逃げながら右側に走っていくParker Washingtonに完璧なボールを投げました。これはかなり難しいパスだったと思います。
この試合で、1970年以降、3回以上のパスTD、1回以上のランTD、0INTを2試合連続で記録した3人目のQB(Joe Montana、Joe Burrowに続く)となったようです。また、今シーズンのTD数が33となり、Matthew Stafford(40)、Josh Allen(37)に次ぐ3番目となっています。さらに、2試合で8パスTD以上、2ランTD以上を果たしたのは2007年のTom BradyとLawrenceだけ、とのことです。
一時はもうダメなのかと思いましたし、ここから3年は契約上Lawrenceからは変えることできないしどうしたものか、と思った時期がありましたが、完全に覚醒状態です。もともとサイズ、身体能力、肩の強さ、時折見せる判断力など、ポテンシャルが高い選手なのは間違いなく、以前もいい時には瞬間的にこれくらいのパフォーマンスをすることはありました。しかし、それが4Q通して続くことはなく、いいプレーをしたと思ったら信じられないようなインターセプトをかましたりファンブルしたり、といった感じだったように思います。
しかしここ4試合ほどは試合を通してこの上振れ状態が続いており、このパフォーマンスが続くのであればリーグトップ5のQBと言っても差し支えないでしょう。できることならこの状態が解けることなく永続してほしいものです。
Parker Washington
3年目となりましたが、この日はターゲット10回中6レシーブ、145ヤード、1TDとキャリア最高のパフォーマンスを披露しました。特に先述の3Qの63ヤードのキャッチ&ランは圧巻でした。
今年はキャンプの頃から評価は高かったし、開幕後も頼れるWR3として育っていました。そして今回の試合は、Coenも意図して彼を使ったと明言していました。DENにはPatrick Surtain IIという昨季のDPOYがおり、そこには通らない可能性が高いことはわかっていたため、彼がMeyersとBTJのどちらにつくかを想定した上でメインターゲットにする、というプランがあり、それがかなりうまくハマったようです。
とは言ってもこれもCoenが以前言っていたと思いますが、YACを稼ぐデザインはできても結局は選手によるところが大きいです。リターナーとしても今年は爆発していますが、本人も言っていたように、限られたチャンスの中でどうすればより多くのYACを生み出せるか、というのを研究していたようですし、そういった準備が今回の結果にも現れたのだと思います。この試合で稼いだYACが「想定されていたYAC(YAC over expected)」を70ヤードも上回っており、これは今シーズンのNFL全体でも単一試合最多。さらにJAXのレシーバーとしては少なくとも2016年以降で最多という驚異的な数字でした。
Parker Washington gained 90 of his 145 receiving yards against the Broncos after the catch.
— Next Gen Stats (@NextGenStats) 2025年12月22日
Washington's +70 YAC over expected are the most by any player in a single game this season, and the most by any Jaguars' pass catcher since at least 2016.#JAXvsDEN | #DUUUVAL pic.twitter.com/dWlalP4lsZ
WR3にWashingtonがいてくれる、というのは正直心強いです。今回は彼が主役でしたが、今後彼がマークされるようなら今度はMeyers、BTJがやってくれると思いますし、グループとしてのレベルはかなり高くなっているのではないでしょうか。
📉 Stock Down
爆発的なプレーを許したディフェンス
スコアとしては20点に抑えており、それに対して文句を言うつもりはないしよくやってくれたと思います。ただこの試合445ヤード、パスで344ヤードを許し、長いドライブやビッグプレーを多く与えました。特に後半開始直後、タックルミスも重なりルーキーRBのRJ Harveyに38ヤードのTDランを許して同点にされるなど、リーグNo.1のランディフェンスが簡単に切り裂かれる場面がありました。パスでもCourtland Suttonへの要所のパスやTDパスもなかなか止められず爆発的なプレーにつながってしまった点は反省材料でしょう。
ケガ人多発
強力なチームが相手ということもあり激しい試合となりました。その結果、Patrick Mekariは前半に背中を痛めて退場、OLの要であるRobert Hainseyも途中で離脱しています。さらに後半にJourdan Lewisがノンコンタクトの負傷(後にシーズンエンドと判明)、さらにBuster Brownも終盤に負傷しています。特にただでさえHunterのシーズンエンドによりCBの層が薄くなっている中でかなり厳しくなってきます。Greg Newsome IIは肩を痛めて一時退きましたが、のちに復帰しています。
Summary & Next
敵地でリーグ最高のディフェンスを攻略しDENの12連勝を止めたJAXは、これで6連勝となりました。さらに翌日INDが敗北したことでプレーオフが確定しました。これでAFC南地区優勝に向けても視界良好ですが、残り2試合1つでも負ければHOUに獲られてしまう可能性が高いためどちらも落とすことはできません。次戦はアウェイでのIND戦ですが、Riversが復帰して5年ぶりのNFLで44歳とは思えないプレーを見せており注意が必要です。前回よりも厳しい戦いとなるのは間違いないでしょう。
できれば地区優勝してそのままの勢いでプレーオフを勝ち残ってもらいたいですね。今年はCoen体制の初年度ということで、シーズン前の予想としては9勝できたらいいな、と思ってたくらいなのですでに大成功で満足しています。とはいえ、初年度よりも2年目に成績を伸ばせるとは限らないのが厳しいNFLの世界。しかも今年はKCがプレーオフから姿を消し、Burrowも下手したらLamarもいない、という今までにない本命不在の状況。BUFはいますしAllenは相変わらずですが、チームは本調子とはいえなさそうです。となると、むしろ今年が千載一遇のチャンスなのでは、と考えられます。なんとかして奇跡を起こして夢の舞台にたどり着いてほしいものです。