Jaguars Note

NFL Jacksonville Jaguars(ジャクソンビルジャガーズ)の応援ブログ

【2025 Game Review】Week 5 vs KC ー劇的逆転で王者撃破!歴史を変えた夜ー

SFに勝利した勢いのままにKC戦に臨んだJAXでしたが、その持ち前の粘り強さを武器に戦い格上相手に善戦し、最後は誰も予想しないような結末となりました。

試合概要

日時: 2025/10/7(Tue) 9:15(日本時間)/2025/10/6(Mon) 20:15(現地時間)

会場: EverBank Stadium, Jacksonville,  FL

観客数: 69,329人

欠場者

JAX

Walkerは欠場となりました。それ以外に影響はありません。

KC

こちらも予定外はなく主力に欠場はありませんでした。LT Josh Simmonsが体調不良でQuestionableと直前に発表されましたが、結局最後まで出場しています。

試合結果

  1Q 2Q 3Q 4Q
KC 7 7 0 14 28
JAX 0 17 14 10 31

あのKC相手についに勝利をあげました!

KCに勝利は2009年以来。MNF勝利は2011年のBAL戦以来。

KCは2021年のCINとのCC以来、14点以上差をつけてリードしていた時に23連勝中でしたが、その連勝を止めました。

4-1はフランチャイズ史上5回目、2007年以降初。

記録づくしの大きな価値のある1勝となりました。

試合の流れ

1Q
4:02 KC TD P. Mahomes→T. Kelce
2yd Pass
2Q
10:44 KC TD P. Mahomes
9yd Rush
2:38 JAX TD Trevor Lawrence→P. Washington
3yd Pass
3Q
8:40 JAX TD T. Lawrence
10yd Rush
2:19 KC TO P. Mahomes→J. Smith-Schuster
Intercepted by D. Lloyd
2:19 JAX TD D. Lloyd
99yd Return TD
4Q
13:12 JAX TO T. Lawrence→P. Washington
Intercepted by T. McDuffie
12:20 KC TD K. Hunt
5yd Rush
8:08 JAX FG C. Little
52yd FG
1:45 KC TD K. Hunt
2yd Rush
0:23 JAX TD T. Lawrence
1yd Rush

全体の印象と課題点

クリーンなフットボール

今まで大きな課題だったペナルティが、この試合では4回25ヤードと大幅に減少しました。フォルススタートとMekariのホールディングは仕方のないものでしたが、改善すべきは残りの2つ。特に序盤のイリーガルフォワードパスは論外として、最後のドライブでのディレイオブゲームも痛い場面でした。タイムアウトが残っていなかったとはいえ、今後あのような状況では冷静に対応して欲しいですね。あそこで下がると逆転の可能性は間違いなく減りますから。

とはいえ、ここまで意識してきた「クリーンなプレー」が結果として示せたのは素晴らしいことです。今後もこの流れを続けてほしいですね。

一方のKCは13回109ヤードもの反則を記録。明暗が分かれた部分であり、勝敗を左右する要因の一つとなりました。反則を減らす重要性を、改めて感じさせる試合でもありました。

ちなみにですが、ドロップも大きく改善。これもチーム全体の集中力と成長を象徴しているのかもしれません。

Chris Jones対策

Chris Jonesには5回のプレッシャーを許しましたが、試合全体を支配されるほどではありませんでした。Coenも語っていたように、基本的にはダブルチームで対応し、それがしっかり機能していました。

チーム全体としては28ものプレッシャーを受けましたが、体感的にはそれほど崩された印象ではありませんでした。一瞬でポケットが潰されるというよりむしろKCのカバレッジが機能してパスが出せず、その間にプレッシャーを受ける展開がということが多かった印象です。加えてLawrenceが脚を使ってスクランブルで逃げる場面も多く、ある程度持ちこたえていたシーンもありました。

OL全体としてはランパスともに苦戦した試合ではありましたが、それでも最低限の水準は維持できていたように思います。

タックルミス

今年のJAXOluokunLloydを中心にタックルが安定しており、ランストップも堅実でした。RACもあまりさせていなかった印象があります。

しかしこの試合ではPachecoHuntを一発で仕留められず、BrownWorthyにもRACを許す場面が目立ちました。

Coenは、「気合が入りすぎて空回りしたのかもしれない」と語っていましたが、相手RB陣のタフさやWRのクイックネスを考えれば、単純にタレント力で上回られた可能性もあるかもしれません。次戦以降は冷静な追い込みと確実なファーストコンタクトが鍵となります。

勝敗を分けたPick-6

この試合最大のターニングポイントは、間違いなくLloydの99ヤードPick-6です。

Campanileのスキームも見事でしたが、Lloyd自身の読みの鋭さ、そしてSmootJHAらの最後までのブロックも完璧でした。

チーム全員が勝利のために一体となってプレーした象徴的な場面であり、この勝利を引き寄せたビッグプレーと言えるでしょう。

控えの安定

Antonが一時離脱しEdogaが、さらに後半にはHainseyが負傷して7巡ルーキーのMonheimが出場するなど、先週に引き続き、OLには厳しい展開でした。

しかし彼らは動揺せず、それぞれの役割をしっかり果たしました。前週に続き、控え選手の準備と対応力が光る内容でした。この「層の厚さ」は、今季のチームを支える大きな強みとなっています。今後シーズンが進むほど重要さが増してくるでしょう。

勝利への執念

何よりも印象的だったのは「勝ちたい」という気持ちの強さ。これは今年は素人が見てるだけでもわかるくらい強いものだと思います。ここに関してだけはKCを間違いなく上回っていた、と断言できます。

この試合、JAXは終始高い集中力と闘志を見せました。Pick-6で最後までブロックを続けた姿勢、そして逆転TD時にChris Jonesが棒立ちで全く追っていなかった対比などを見ると、気持ちの差が結果に現れたようにも感じます。

KCはSB常連で常勝軍団、王者としての余裕もあり、負けてもどうせプレーオフには行けるという心理的な緩みがあったのかもしれません。プロですから意識的にそう思ってるはずはありませんが、勝ち続けるうちに無意識のうちにこういった気持ちに差ができていることは考えられるでしょう。

今回の勝利でJAXが驕ることはありません。今後も勝利をひたすら目指して強豪と戦うでしょう。ボロ負けすることもあるかもしれませんが、最後まで諦めずに戦ってくれると思います。選手たちのそういう姿を見ていると応援する気が増しますね。

Walker不在の影響

スタッツ上の19プレッシャーという数字以上に、実際はMahomesに十分な時間を与えてしまう場面が多く見られました。

実際の%で見ると以下でWalkerの不在が響いた形とも言えるでしょう。

十分な時間を与えた結果WRがフリーになる、ということも多かったです。もちろんWalkerが出場していれば劇的に毅然したかはわかりませんが、少なくともいない今回悪かったのは間違いないと思います。来週以降もSEALARと強豪が続くので、Walkerの早期復帰が待たれるところです。

📈 Stock Up

Trevor Lawrence

序盤こそいつも通りのイマイチな立ち上がりでしたが、この日は誕生日。最終的には特別な夜にふさわしいパフォーマンスを見せてくれました。

特に脚を使い始めてから、オフェンス全体に流れが生まれました。よく考えるとカレッジ時代からデザインランが多かったみたいですし、そういう戦い方の方が合っているのかもしれません。スライディングしないので毎回怪我が怖いですが、それ以上に気迫とリーダーシップを感じさせました。

そして何より圧巻だったのは最後のドライブ。BTJへの完璧なサイドラインへのパス、Dyamiへのタイミング、場所ともに抜群のスロー、どちらも正確無比でした。

その後ディレイオブザゲームなどのミスはありましたが、最後にプレッシャーのかかる中で冷静にDPIを誘発し、最終的には「あのプレー」で全て決めてくれました。確かにお笑いプレーに見えたかもしれませんが、あの「絶対に勝ち切る」という執念は昨年までは決して見られなかったものですし、Lawrenceが頼もしく見えました。

ここから覚醒して…ということにはおそらくならず、いい時と悪い時の波の大きい選手であることは変わりないと思います。インターセプトもこれからもいっぱいするでしょう。それでも少しずつ今回のようなパフォーマンスを増やしていってもらえるといいと思いました。これなら新しいQBを探す必要はまだないかな…と思います。

Devin Lloyd

あの99ヤードPick-6は最高の瞬間でした。

本人も「ゼロブリッツの形で、自分は外にポップアウトする役割だった、相手のボールが早く出るのはわかっていたので、しっかりと目を戻して、エリアに入ることに集中したら、ボールが来てくれてインターセプトできた」と語っており、完璧な読みと反応が生んだプレーでした。

この1プレーだけで勝率が42%上昇したとのデータもあるようで、インパクトの大きさはいうまでもありません。また、LBとしての99ヤードのPick-6は少なくとも1941年以降最長(タイ?)という歴史的記録。もちろんフランチャイズ史上最長です。

持ち前の運動能力に加え、ゲームの理解度と冷静さ、そしてCampanileのスキーム、全てが噛み合わさった結果、ディフェンスのリーダーとして完全に覚醒したと言っていいでしょう。これからも期待大です。

Travis Hunter

先週あたりから調子を上げてきていましたが、この試合でも随所に彼らしいプレーが光りました。

2人のディフェンダーをかわす驚異的なフットワーク、難しい体制からのキャッチ──。

このプレーでは、普通ならノーゲインで終わる場面を10ヤードゲインに変え、彼の身体能力とバランス感覚を垣間見ました。

このプレーでは事前に練習を何度もしていたとのことですが、2人に囲まれながら強力なキャッチ力でボールを掴み取りました。このキャッチ力、競り合いの強さはやはり特別ですね。

ディフェンスでも的確なマンカバーを披露。ダブルムーブにも冷静に反応しており、CBとしての成熟も進んでいます。

スタッツにはまだ大きく現れていませんが、どんどん出番も増えてハイライトプレーも増えることでしょう。楽しみです。

Anton Harrison

スタッツ上は5回のプレッシャーを許し、数値だけ見れば今季ワーストレベルで苦戦しているように見えます。しかし実際のプレーを見る限り、ランブロック、パスプロともに非常に安定しており、成長が感じられました。元々パスプロは得意でしたが、ランブロックに関してはスキーム、コーチの問題もあったとは思いますが全然ダメでした。今年は特にキャンプで相当厳しくされた、との話もありますし、その成果が出ているのでしょう。

📉 Stock Down

Tyson Campbell

今季ここまで安定感を欠く試合が続いていますが、この試合では特に厳しい内容となりました。

1Q残り5:26、ブリッツによりプレッシャーはかかっており、しっかりカバーしていればむしろインターセプトチャンスだったにも関わらず、そこを外されてThorntonに取られました。TDに繋がるプレーでした。TD前のWorthyのプレーもアウトオブバウンズではありましたが、マンカバーではちゃんと抜かれていました。

さらに2Q残り11:35でのゴール前にThorntonに通されたパスも途中まではTysonがついていっておりおそらくマンカバー?だったのでしょうか?そこから完全に見失ってワイドオープンに。ゾーンだとしてもどこを守っていたのかよくわからない動きでした。

Jourdan LewisTravis Hunter、今回はBuster Brownすら調子を上げる中、エースであるはずの彼が精彩を欠くのは痛いところです。エースWRについていることが多いとは思いますが、それでやられてたら意味ありませんし今回やられていたのは主にThorntonです。このままだと来季の立場は危うくなる可能性があります。エースCBとしての復調に期待します。復調と言いますが、そもそも戻る調子があるのでしょうか?そもそも実力が足りていない?今後要観察ですね。

Tim Patrick

2Q残り5:40ごろ、いいデザインのプレーでボールもそこまで悪くなかったのですが、弾いて危うくインターセプトを誘発するところでした。取られなかったのはただ運が良かっただけです。あそこでやられてたら相当まずい展開になっていました。あまりターゲットにならないですが、悪目立ちすることだけは無しでお願いします。

まとめと今後

悪いところも当然ありましたが、全て差し引いても間違いなく最高の試合でした。さっきまでのチームでは考えられなかったような勝ち方で、組織としての進化がはっきり見えました。

Baalkeなんて特級呪物がいたのが遠い昔のように感じますね。そんなふうに思えるほど今のチームはまとまりと方向性をしっかりと持っています。気持ちの強さ、控えの準備、勝負所でのリーダーシップ、などなどどれをとってもいい循環に入っています。

とにかく今のチームの感じは大好きなので、この感じで少なくとも今後も継続してもらいたいです。欲を出すと碌なことはないのですが、BYEまで2試合のうち1試合でも取れればプレーオフも現実的なものになるでしょう、チーム全体の成長と勢いを維持しつつ、次戦もこの流れを継続してほしいと思います。