
今回は、目前に迫った勝負の時間を前に、我らがJAXの「今」を整理してみました。直前に飛び込んできた嬉しい契約延長のニュースも交えて紹介します。
- 首脳陣の残留と「弱点克服」へのピンポイント補強
優秀なOCとDCの引き抜きを回避。さらにラン攻撃とパス守備の改善に特化した新コーチを招聘し、弱点の補強へ。 - 直前の朗報!若手CBとの契約延長と厳しいお財布事情
キャップスペースの確保に苦しむ中、FA解禁直前に若手有望CBの引き留めに成功。フロントのやりくりに注目。 - 主力FA選手の流出危機
フランチャイズタグの使用は見送り。長年チームを支えた主力RBやLBとの別れが濃厚な寂しい春に。
1. 激動のコーチ人事:継続と弱点補強のベストバランス
オフシーズンのJAXにとって、何よりも一番の朗報はOCのGrant Udinskiと、DCのAnthony Campanileが残留したことでしょう。両者とも他チームのHC面接に呼ばれるほど高く評価されていましたが、無事にチームに残ってくれました。軸となる戦術がリセットされず継続できるのはチームにとって本当に大きなアドバンテージです。
その上で、昨シーズンの明確な課題だった部分にピンポイントでメスを入れています。
パスディフェンスの改善へ
昨季、全体的に堅守を誇ったディフェンス陣の中で、懸念だったのがパスディフェンスでした。喪失ヤードはリーグ21位となっています。そして勝負所でパスを通されてしまう場面を減らすべく、セカンダリーコーチのRon Milusを解雇し、新たにDefensive Pass Game CoordinatorとしてMathieu Araujoを採用しました。さらに、LVに引き抜かれたDefensive AssistantのMario Jeberaeelの穴埋めとして、Grant Morganを迎えています。守備の連携強化が期待されますね。
ランオフェンスのテコ入れ
ランオフェンスはシーズン序盤こそ爆発力がありましたが、中盤以降は停滞し、パスオフェンス偏重になってしまいました。この課題を解決するため、スタンフォード大学に引き抜かれたKeli'i Kekuewaの後任として、Run Game CoordinatorにBrian Picucciを採用しています。
実は彼はCoenとはカレッジからの旧知の仲。昨年TBから引き抜こうとしたものの、所属元に拒否されてひと悶着あったという相手です。1年越しの熱烈なラブコールが実った形で、ランオフェンス復活の起爆剤として大きな期待がかかります。
2. JAXの現在地:キャップスペースとの戦いとロースター整理
さて、いよいよFA解禁となり、大物を獲得!といきたいところですが、今年のJAXは非常にお財布事情が厳しい状態です。というのも、Baalke時代の「負の遺産」の清算に追われているからです。
直前にMontaric Brownと契約延長!
厳しいお財布事情の中、現地3月9日のタンパリング期間直前に嬉しいニュースが飛び込んできました。若手CBのMontaric Brownと、3年33M(年平均11M)での契約延長に合意したのです。
We have agreed to terms with CB Montaric Brown.@lockdown_2121 | @Shift4 pic.twitter.com/kLub0JRxCt
— Jacksonville Jaguars (@Jaguars) 2026年3月9日
ドラフト7巡から這い上がり、今シーズン躍進してスターターレベルまで成長した彼を、市場に出る前にしっかりと囲い込めたのはフロントのファインプレーと言えるでしょう。この金額は、彼への期待の表れと考えていいでしょう。市場に出た場合、SFが興味を持っていたとの話もありますし、もう少し値も上がっていた可能性もあるかもしれません。
地道な契約再構築と控え選手の確保
Brownとの契約をまとめる裏で、フロントはキャップスペースを捻出するためにPatrick Mekari、Eric Murray、Jourdan Lewisといったベテラン選手の契約を再構築しました。これでようやくキャップスペースはプラスに転じましたが、それでもFA市場で派手に動く余裕はありません。現状在籍選手で大きくキャップを圧迫しているTrevor LawrenceやJosh Hines-Allenはすでにベースサラリーをかなり減らした契約となっているため再構築でも二人合わせて5M程度しか捻出できません。あるとすれば、 Foye OluokunやArik Armsteadなどが候補になるでしょう。
あとは、堅実にMatt Dickerson、DeeJay Dallas、Keith Taylor、Christian Braswell、Quintin Morrisといった控え選手たちと再契約を結び、シーズンを戦い抜くためのデプスを確実に確保しています。
注目の若手:Hunterの起用法とBTJトレードの噂
今後のチームの命運を握る若手にも注目です。攻守両面での活躍が期待されるTravis Hunterですが、チーム事情を考えると、今後はCBでの起用がメインになると予想されています。実際の首脳陣の話でもそんな話題は出ています。
一方で、SNS界隈を不必要に騒がせていたのがWR Brian Thomas Jr.のトレードの噂です。ルーキーイヤーの鮮烈な活躍から一転、2年目の昨季はスタッツを落としたため心無い声も出ていますが、シーズン終盤にはしっかりと復調の兆しを見せていました。Hunterがディフェンスメインになるなら、オフェンスのメインウェポンとしてBTJは絶対に必要不可欠ですし、個人的にはトレード放出は「あり得ない」と断言したいですね。
フランチャイズタグは見送り
チームのエースを1年限定で強制的に引き留める「フランチャイズタグ」ですが、今年は誰にも使用しませんでした。候補だったLB Devin Lloydはポジション的にタグの規定金額が高すぎるため非現実的ですし、エースRBのTravis Etienneも、このままFA流出となる可能性が極めて高くなっています。
3. 主なFA選手と今後の展望
ここで、今オフにFAとなる(またはFAになる予定だった)JAXの主な選手たちを一覧で整理してみましょう。厳しい台所事情の中、フロントの苦渋の決断が見え隠れします。
| 選手名 | ポジション | 重要度 | 今後の予想・解説 |
|---|---|---|---|
| Montaric Brown | CB | 高 | 【3年33Mで契約延長合意!】市場に出る前に囲い込みに成功。今後のセカンダリーの柱へ。 |
| Devin Lloyd | LB | 高 | 若き守備の要。非常に残したい選手だったが、キャップ事情により引き留めは困難。 |
| Travis Etienne | RB | 中 | 長年オフェンスを牽引したエースRBだが、流出が濃厚。 |
| Tim Patrick | WR | 中 | サイズがあり信頼できるターゲットだが、WR陣の再編方針とサラリー次第。 |
| Andrew Wingard | S | 中 | STの要であり、チームのムードメーカー。ファン人気も絶大で残留を期待したいが残留は厳しい。 |
| Dennis Gardeck | LB | 中 | パスラッシュのアクセントとして有用。残ってれば再契約したい。 |
| Greg Newsome | CB | 低 | 市場価値がそれなりに高く、キャップ事情からも放出一択。 |
| Emmanuel Ogbah | EDGE | 低 | シーズン中も存在感はなく、再契約はまずなし。 |
| Dawuane Smoot | DL/EDGE | 低 | 長年チームを支えた功労者だが、守備陣の若返りを図るならここでお別れ。ベテランミニマムならアリかも? |
| Dyami Brown | WR | 低 | シーズン終盤にはヘルシースクラッチ。お察し。 |
| Austin Johnson | DL | 低 | ローテーション要員。若手で補いたい。 |
| Joshua Cephus | WR | - | テンダーせず。どこにもいかなければ再契約もありか。 |
4. ポジション別浅めの展望
QB
フランチャイズQBであるTrevor Lawrenceが健在。控えQBの整備は必要ですが、基本的には動きはないでしょう。下位での指名はありかもしれません。
RB
ETNの流出が濃厚なため、RBの再構築が必要です。メインはTutenが担うでしょうが、一人はどこかで追加が必要そうですね。ドラフトか安くFAかはわかりません。
WR
BTJとMeyers、Washingtonを中心にしながら要所でHunterを使う形でかなり期待できます。下位で素材系をドラフトするかUDFAでいいのではないでしょうか。
TE
Strange以下がかなり怪しいです。Mundtはカットの可能性がありますし、Longは怪我がちです。これはFAよりは2日目での指名が妥当ではないでしょうか。
OL
主力メンバーはひとまず維持されそうです。しかし、RGのMekariが穴ですし、ランブロック改善も考えるとアップグレードしたいですね。Anton Harrisonの5年目オプションは行使するとして、Clevelandは来年FAですし、ドラフトでの即戦力補強が必須です。
DL
ここが一番の穴だと思っています。NTとしてはHamiltonが頼りになりますが、パスラッシュが厳しいです。Armsteadは悪くないですが契約を考えると物足りないですし、少なくとももう一人は欲しいです。3年目のMaasonはもう期待できなさそうなので、ドラフト上位での獲得はマストだと思います。
EDGE
Josh Hines-AllenとTravon Walkerの強力な両翼は健在。ローテーション要員としてはUDFAの2人の成長がカギになります。あとはドラフトで1人育てておきたいです。
LB
ディフェンスの要であったLloydの穴をどう埋めるかが最大の課題です。ドラフト中位以降でスピードのある若手LBを発掘したいですね。個人的には3巡あたりかとは思っていますが、まぁ残ってる選手次第でしょうか。
DB
直前のMontaric Brown契約延長は朗報です。ここが流出すると正直CBをどうするか悩ましいところでした。これで外2人とスロット2人がいったん確定したのでドラフト上位は使わなくていいのではないでしょうか。Travis Hunterの本格的なCB起用と、新コーチ陣の手腕に期待がかかります。Sに関してもAntonio Johnsonの躍進とCaleb Ransawの怪我からの復帰でなんとか回ってくれるといいなと思います。
まとめ:NFLの2026年オフシーズンを楽しむために
今年のJAXのオフシーズンは、「派手な大型補強」よりも「賢いやりくり」と「弱点の的確な修正」がテーマになります。厳しいキャップスペースの制約から、長年応援してきた主力のTravis EtienneやDevin Lloydとお別れになる可能性が高いのはとても寂しいですが、これもビジネスです。
その分、有能なコーディネーター陣の残留とピンポイントなコーチ補強によって、チームの土台は確実に強固になっています。フロントが限られた資金の中でどんな「やりくり上手」な動きを見せるのか。これからのタンパリング期間、そしてFA解禁を楽しみたいですね。