
2024年オフに3年総額39MでJAXに加入したWR Gabe Davisが、わずか14か月でチームを去ることとなりました。このリリースにより、チームは20.3Mものデッドマネーを抱えることになりますが、そうしてまでリリースする必要があったのか。
この決断は、クソゴミカスだった前任者の負の遺産を清算し、若手中心の再構築に本格的に乗り出す新体制の意志を示すものと言えるでしょう。
唐突なニュース
昨晩急にこんなニュースが飛び込みました。
Jaguars release WR Gabe Davis. pic.twitter.com/NeQ9cEH4Pr
— NFL (@NFL) 2025年5月7日
予想外の動きに界隈がざわめきました。とはいえ、理由がないわけではないので少しまとめてみます。
なぜGabe Davisは早期にリリースされたのか?
成績とフィットの問題
Davisは2024年シーズン、10試合に出場し、20レシーブ、239ヤード、2タッチダウンというキャリアワーストの成績に終わり、さらにはシーズン中盤に左膝の半月板損傷によりシーズンエンドとなりました。
42回ターゲット中20レシーブ、レシーブ率47.6%はかなり低く、ドロップ率9.1%という数字以上に印象としても不安定なプレーが目立ちました。
また、彼のプレースタイルは、BUF時代からビッグプレーが特徴であり、安定したルートランニングやショートパスでの貢献には課題がありました。特にプレーが崩れてからの一発に関してはQB Josh Allenの能力に大きく依存していた部分もあったのでしょう。あのレベルのQBでないと活かしきれないのかもしれません。加入時の記事もご参照ください。
あと加入した当初からケガが指摘されていて、もしかしたらそのケガが回復しきっていないままプレーしていたためパフォーマンスが出せなかったのかもしれないですね。
新生JAXは、WRだけでなくTEやRBも活用する多様なオフェンスとなることが予想されます。その中で、Davisの役割は限定的であり、フィットしなかったと考えられます。
実際、プレスカンファレンスでもWR3、WR4としてDyami Brown、Parker Washingtonの名前が挙げられた一方で、Davisの名前は一切触れられず、構想外だった可能性は高いです。
今にして思えば、Coen就任時にもDavisに対してだけ態度がそっけなかったような気もします。
#WeAlreadyKnew pic.twitter.com/ViSfZR7zLb
— Rev. Eric Dunn (@ericvdunn) May 7, 2025
彼らが強調してきた“Intangibly rich”——存在するだけでチームを向上させる選手——にも当てはまらなかったのかもしれません。
ただ、元チームメイトのMitch Morseはこれに対して以下のように反応しています。
Absolute tone setter in the locker room and on the field. PERFECT culture guy. Played hurt all last year, didn’t complain about it once… having a tough time wrapping my head around this one. https://t.co/7fVKTge4aT
— Mitch Morse (@mithenmor60) 2025年5月7日
これを見るとリーダーシップもあってロッカールームでもチームの雰囲気をよくしてくれそうにも思いますが、逆にプレー面で構想外となったことで、ベンチに座らせるより早めに新天地を見つけてほしいという優しさなのかもしれません。
デッドマネーを受け入れてのリリース
今回のリリースにより、JAXは20.3Mのデッドマネーを抱えることになります。これはWRとしては歴代でも高額な部類に入ります。
それでもなおリリースに踏み切った背景には、新体制が前任者の失敗し続けたRosterの刷新に本気であることが伺えます。
Baalke体制のFA戦略の失敗
Davisの獲得は、前GM Trent Baalkeが推し進めた2024年FA戦略の目玉補強の一つでした。しかし、その年に加入した選手の大半がすでに退団済み。現在残っている選手は2人のみです。表にまとめると、その実態のひどさが浮き彫りになります(PSレベルの選手は除外)。
| 加入年 | 名前 | 転帰 | デッドマネー |
|---|---|---|---|
| 2024 | Darnell Savage | 残留 | – |
| 2024 | Devin Duvernay | リリース | 3.8M |
| 2024 | Gabe Davis | リリース | 20.3M |
| 2024 | Ronald Darby | リリース | 2.75M |
| 2024 | Trevis Gipson | トレード | – |
| 2024 | Josiah Deguara | FA | – |
| 2024 | Arik Armstead | 残留 | – |
| 2024 | Mitch Morse | 引退 | 3.2M |
| 2023 | D'Ernest Johnson | FA | – |
| 2022 | Christian Kirk | トレード | 13.65M |
| 2022 | Evan Engram | リリース | 13.5M |
| 2022 | Foyesade Oluokun | 残留 | – |
| 2022 | Brandon Scherff | FA | 13.8M |
残留した選手にしても、Savageは何を目的に獲得したのか当初から不明でしたし、今も使い方には頭を悩ませているのではないでしょうか。DCが前GBのため適切に使える可能性はありますが、最悪彼もリリースの可能性は否定できません。
ArmsteadはWalter Payton Man of the Yearを受賞はしたものの、プレー面では期待外れもいいところでした。そもそも期待していたDTではなくEDGEとしての起用が多く、全くいいところはなかったように思います。今年はDTとして起用されるとのことですし、カットはないと思いますが、なんとかSF時代の力を発揮してほしいです。
歴代稀に見るレベルでのFAの失敗と思われます。
また、それ以前に契約した選手についても残留はOluokunのみです。彼のパフォーマンスは現在のディフェンスの要ではありますが、今後3年目のMiller、ルーキーのJack Kiserにとって代わられることもあるかもしれませんね。
Engramは一度は契約延長していること、Scherffは契約を満了したことを考えればそこまで悪くはないですが…Scherffも期待外れではありました。
さらに2021年UFAで獲得したRoy Robertson-Harris(2024年にSEAにトレード)、Blake Hanceの分も加えると、今年JAXが抱えるデッドマネー総額は約79.24M。Baalkeがいかにひどいマネジメントをしていたかを思い知らされます。
なお今年のキャップに関して言えば、6月1日以降のリリースとすることで、今年は5.7M、来年14.6Mと分割できるのでそのようにする説が有力です。
The #Jaguars are releasing WR Gabe Davis, who had 2 years, $25.5M remaining on his contract - including a fully guaranteed $11M in 2025.
— Spotrac (@spotrac) 2025年5月7日
The move is likely a Post June 1st Designation, which splits up $20.3M of dead cap into:
2025: $5.7M
2026: $14.6M
新体制のWR展望
新体制は、若手選手を中心とした再構築を進めています。今年のドラフトでは、全体2位指名でWR/CBのTravis Hunterを獲得し、2年目のBrian Thomas Jr.にも大きな期待が寄せられています。また、FAでDyami Brownを獲得し、3年目のParker Washingtonの成長も見込まれています。
おそらくベテランFAの獲得の可能性は低く、キャンプでのパフォーマンス次第では今年のUDFAも構想に入ってくるかもしれませんね。今後に注目です。
まとめ
Gabe Davisのリリースは、新体制が前任者の負の遺産を清算し、若手中心のチーム作りを進める決意の表れと思われます。今後のJAXがどのようなチームへと変貌を遂げるのか、注目していきたいですね。