
FAがひと段落していますが、JAXは初日に9人と契約して以降音沙汰ありません。GMは「契約したい選手とは全員契約した」、といったようなことを言っていたのでおそらく今後も動きはないでしょうね。「ドラフト中心のチーム作りをする」とは最初から言っていますし有言実行ですね。見てる側からすると物足りないのですが、Baalkeのときのやたら大型の契約をするスタンスとは正反対で今のところ好感が持てます。
今回は簡単にその9人を紹介してみます。
Nick Mullens
- ポジション
- QB
- 年齢
- 29歳 (1995/3/21生)
- 身長
- 6-0(183cm)
- 体重
- 210lbs(95kg)
- 出身大学
- Southern Mississippi
- ドラフト
- 2017/UDFA/SF
- 前所属チーム
- MIN
- PFF Grade (2023)
- Offense 57.7 Pass 59.5 Run 59.9
- 契約
- 総額2年6.5M 年平均3.25M 保証3M
2017年のUDFAとしてSFに加入し、基本控えとして過ごしました。2018年にはJimmy Garoppoloのケガに伴いWeek9から8試合に先発し2,277ヤード、13TD、10INTとINTは多いがそこまでひどくはない成績。2020年にも8試合先発し、2,437ヤード、12TD、12INTと前と変わらない出来。翌年は契約延長に至らず、UFAとしてPHIと契約するもプレシーズンでゴミのような出来でシーズン前にリリース。2022年にMINへ移籍、2023年には新OCのUdinskiの下で3試合に先発したが、結局7TD、8INTとINTが先行。
見ての通りスタッツは悪いです。PHIでのイメージが強いので全く期待は持っておらず、Mac Jonesと比較しても明らかにグレードダウンでしょう。ただ彼にQBとしてのプレーは求めていません。求めるものはただ一つ。Udinskiのシステムには精通しているはずなので、「Lawrenceのシステムへの適応の手助けをすること」です。ということで出番がないことを祈ります。
契約は控えQBとしても決して高くないですが、このレベルの選手であればもっと安く契約できそうですし、overpay気味ではありますね。
Dyami Brown
- ポジション
- WR
- 年齢
- 25歳 (1999/11/1生)
- 身長
- 6-0(183cm)
- 体重
- 195lbs(88kg)
- 出身大学
- North Carolina
- ドラフト
- 2021/3R/#82/WAS
- 前所属チーム
- WAS
- PFF Grade
- Offense 66.5 Pass 66.5 Run 63.5
- 契約
- 総額30M/3年 年平均10M/年 保証-M
2021年の3巡で指名されてから、基本WR4として3年間を過ごし、特に目立ったものはありません。2024年もWR3~4でレギュラーシーズンは30レシーブ、308ヤード、1TDと全く物足りない成績。
しかし、ポストシーズンではTB戦、DET戦ともに89ヤード、98ヤードとかなり活躍しており、PHI戦でも大敗はしていますが、少し嫌だった記憶があります。
スタイルとしては、元々カレッジでは40ヤード4.45秒のスピードでディープスレットとして起用されていましたが、WASではスクリーンなどのLOS上のプレーも多かったようです。また、ワイド:スロットは8:2くらいではあるのですが、その割にレシーブはスロットからが多いようで、JAXではスロットとしての起用も増えるかもしれません。
BTJもスロット、ワイド両方で起用されると思うので、だいぶ柔軟になりそうです。基本的にはWR3と見込まれていますが、ドラフトでのWR追加も十分あり得るのでまだわかりません。
本人としてはここで活躍して大型契約につなげたい、という思いからの1年契約だと思うのでぜひ予想以上に活躍してほしいですね。ただこの経歴の選手に10Mはなかなか出したなぁとは思います。overpayと言われないように頑張ってほしいです。
Some Dyami Brown highlights for your timeline. pic.twitter.com/Bf30pSEXKV
— Nash Henry (@NashJagsNats22) March 11, 2025
Hunter Long
- ポジション
- TE
- 年齢
- 26歳 (1998/8/19生)
- 身長
- 6-5(196cm)
- 体重
- 253lbs(115kg)
- 出身大学
- Boston College
- ドラフト
- 2021/3R/#81/MIA
- 前所属チーム
- LAR
- PFF Grade
- Offense 66.6 Pass 62.7 Pass Block 73.4 Run Block 68.1
- 契約
- 総額5M/2年 年平均2.5M/年 保証-M
キャリアを通して9レシーブしかしておらず純粋なブロッキングTE。MIAではケガもありあまり活躍できず、Jalen Ramseyのために指名権のおまけでLARへトレード。
LARに加入した2023年にはシーズン前にハムストリングのケガでIRへ。11月には復帰するも12月にMCL断裂の大ケガでシーズンエンド。昨年は全試合に出場し、PFFグレードもまずまず。
おそらくCoenはTEのブロッキングを重視していると思われ、LARの繋がり、Farrellの流出などにより獲得したと思われます。Farrellが3年21Mで契約したことを考えればまずまずではないでしょうか。ロールプレイヤーであり、ドラフトにも影響を与えず、目立つことはないと思いますが、STも合わせて堅実にプレーしてほしいですね。
Johnny Mundt
- ポジション
- TE
- 年齢
- 30歳 (1994/11/23生)
- 身長
- 6-4(193cm)
- 体重
- 233lbs(105kg)
- 出身大学
- Oregon
- ドラフト
- 2017/UDFA/LAR
- 前所属チーム
- MIN
- PFF Grade
- Offense 57.5 Pass 58.6 Pass Block 63.8 Run Block 55.5
- 契約
- 総額5.5M/2年 年平均2.75M/年 保証-M
LARにドラフトされ、控えのブロッキングTEとして起用され、Kevin O’ConnellがHCになった年にMINに移籍。パスターゲットとしての起用も増えたものの、やはり基本的にはブロッキング要員。LARではCoen、MINではUdinskiの下でプレーしており、使い勝手はわかっている選手です。O’Connellに「リーグ最高のTE3」とも言われているようなので、Hunter Longとともに縁の下の力持ちとして頑張ってもらいたいです。
Robert Hainsey
- ポジション
- OL(C)
- 年齢
- 26歳 (1998/8/12生)
- 身長
- 6-4(193cm)
- 体重
- 306lbs(138kg)
- 出身大学
- Notre Dame
- ドラフト
- 2021/3R/#96/TB
- 前所属チーム
- TB
- PFF Grade (2023)
- Offense 50.2 Pass Block 57.3 Run Block 50.3
- 契約
- 総額21M/3年 年平均7M/年 保証13M
ルーキーイヤーは名CのRyan Jensenの控えとしてベンチで学び、2022年にはスターターに昇格し、Tom Bradyとともにプレー。シーズン通してサックの記録なく上々のプレーを披露したものの翌年はパフォーマンスを落とし、2024年には1巡で指名されたGraham Bartonにスターターを奪われました。ただ唯一先発したNO戦では非常にいい動きをみせています。
フィジカルでアスレチックなプレースタイルであり、OT経験もあり汎用性の高い選手です。特にCoenの下で学んでいたことからシステムへの適応は容易だと思いますし、その点から契約がやや高めでも取りに行ったのかもしれません。実際スターター経験2年しかない選手にスターターレベルの額を与えていることは不安要素ではあります。
今年のドラフトでCをとる可能性は残されているのでまだどうなるかは不透明です。
Patrick Mekari
- ポジション
- OL(G/T/C)
- 年齢
- 27歳 (1997/8/13生)
- 身長
- 6-4(193cm)
- 体重
- 305lbs(138kg)
- 出身大学
- California
- ドラフト
- 2019/UDFA/BAL
- 前所属チーム
- BAL
- PFF Grade
- Offense 59.0 Pass Block 71.6 Run Block 56.0
- 契約
- 総額37.5M/3年 年平均12.5M/年 保証22.5M
OLの全てのポジションをこなせるユーティリティープレイヤー。ちなみにスナップ数はLT 685、LG 965、C 918、RG 272、RT 1210。昨シーズンは主にLGでプレー。パスプロテクションには優れているが、ランブロックは平均的。また昨シーズンはペナルティが14回とやたら多いのは気になるところ。
金額から言ってもまずスターターでの起用が想定され、ScherffがいなくなったRGが最も考えられるでしょう。また、全てのポジションをこなせることから、誰かがケガをしたらそこにスライドしたりする可能性も高そうです。
Chuma Edoga
- ポジション
- OL(T)
- 年齢
- 27歳 (1997/5/25生)
- 身長
- 6-3(190cm)
- 体重
- 308lbs(139kg)
- 出身大学
- USC
- ドラフト
- 2019/3R/#92/NYJ
- 前所属チーム
- DAL
- PFF Grade
- Offense 52.2 Pass Block 50.5 Run Block 56.6
- 契約
- 総額7M/2年 年平均3.5M/年 保証3.2M
1年目から8試合に先発するも徐々に出番が減少、その後ATLをはさんでDALへ。DALでも基本はスイングT。昨年はプレーオフの可能性が消滅してからスターターを休ませる目的かWeek13から4試合LTの先発を務めました。特に後半3連戦はPFFグレードとしてはパスプロにおいて優秀なスタッツを残しています。
JAXでもまずはJavon FosterとスイングTの座を争うことになると思います。今回のFAの意味合いは底上げなので、昨年の有象無象に任せることは少なくなりそうですね。
Jourdan Lewis
- ポジション
- CB(ニッケルCB)
- 年齢
- 29歳 (1995/8/31生)
- 身長
- 5-10(178cm)
- 体重
- 195lbs(88kg)
- 出身大学
- Michigan
- ドラフト
- 2017/3R/#92/DAL
- 前所属チーム
- DAL
- PFF Grade
- Defense 71.2 Run Defense 45.0 Tackle 61.4 Coverage 79.0
- 契約
- 総額30M/3年 年平均10M/年 保証20M
DAL一筋の29歳。ルーキー時にアウトサイドとして出場するも以降は基本ニッケルとしての出場。サイズは小さめでスピードも特筆すべきものはないが、カバレッジ能力は高く、非常にアグレッシブでハードなプレーやトラッシュトークが特徴。
どうやらニッケルとして最高額での契約のようです。正直今まで圧倒的な結果を出したわけでもない、今年30歳になる選手にここまで出したのは疑問ではあります。ただ、今年はとにかく文化を作り上げることが重要であり、その点で彼は、競争心やエネルギーに溢れており、DALでもファンからは愛されていたようですし、元DALのDCであるMike Zimmerもインタビューで言っていましたが、ロッカールームでのリーダーシップにも期待できそうです。そこに「無形の資質」を見出して相場以上の額を出したのかもしれません。
さて、ここで問題が生まれました。昨年3巡のJarrian Jonesもニッケルでの起用がメインでしたが、彼の加入によってどうなるでしょうか?Jonesをアウトサイドにするのか、Lewisを他のポジションで起用するのか、など色々な可能性はありそうです。Zimmerのインタビューでは「アウトサイドも可能だが、本来の適性はニッケル」と言っているように、Jonesはアウトサイドを守るようになるかもしれません。実はカレッジでもアウトサイドの経験はあるので、それはアリかもしれません。どうなるのか見守りましょう。
Eric Murray
- ポジション
- S
- 年齢
- 31歳 (1994/1/7生)
- 身長
- 5-11(180cm)
- 体重
- 199lbs(90kg)
- 出身大学
- Minnesota
- ドラフト
- 2016/4R/#106/KC
- 前所属チーム
- HOU
- PFF Grade
- Defense 63.8 Run Defense 67.2 Tackle 51.7 Coverage 64.9
- 契約
- 総額19.5M/3年 年平均6.5M/年 保証12M
KC、CLE、HOUを渡り歩いてきた今年10年目のベテラン。目立つプレーはないものの堅実な選手。直近ではHOUで5年間を過ごし、同地区ライバルのことも熟知している。
現時点ではSSとしてスターターとなることが予想されます。ただし、あくまでセカンダリーに安定感をもたらすための選手であり、ドラフトでSを指名する可能性は減っていないと思います。
こちらも相場としてはやや高めでの契約となりましたが、上述のLewisと似た理由で価値を見出したのだと思います。GMの目を信じて彼のリーダーシップに期待することにします。