Jaguars Note

NFL Jacksonville Jaguars(ジャクソンビルジャガーズ)の応援ブログ

Conference 4-2 NFC 3-2 Home 4-2 Away 3-2 Streak W2

【2025 RS】Week 1 vsCAR Game Review

9月8日に行われたレギュラーシーズン開幕戦は、新HC Liam Coen体制の船出でした。JAXは雷雨による66分の中断を挟みながらも、強力なラン攻撃とディフェンスでCARを26-10で下し、好スタートを切りました。内容を振り返ります。

試合概要

日時: 2025/9/8(Mon) 2:00(日本時間)/2025/9/7(Sun) 13:00(現地時間)

会場: EverBank Stadium, Jacksonville, FL

観客数: 59,957人

欠場者

JAX

概ね予想通りですが、唯一の驚きはMaason Smithがインアクティブになっている、というところでしょう。ケガはすでに改善していたはずですが…もしかするとあまりチームからの評価が高くないのかもしれません。少し様子を見る必要がありそうです。

CAR

情報に合った通りLTのIkem Ekwonuが欠場となりました。あとはルーキーのJimmy Horn Jr.あたりが大きなところでしょうか。

試合結果

  1Q 2Q 3Q 4Q
JAX 3 17 0 6 26
CAR 3 0 0 7 10

試合の流れ

1Q
8:15 JAX FG C. Little
35yd FG
0:36 CAR FG R. Fitzgerald
48yd FG
2Q
12:52 CAR TO B. Young→X. Legette
intercepted by F. Oluokun
8:32 JAX TD T. Lawrence→H. Long
6yd Pass
1:49 JAX TD B. Thomas Jr.
9yd Rush
0:55 CAR TO B. Young Fumble
Recoverd by J. Lewis
0:01 JAX FG C. Little
47yd FG
3Q
9:51 CAR TO B. Young→X. Legette
4th Down Pass incomplete
2:12 JAX TO T. Lawrence→T. Hunter
Intercepted by J. Horn
0:23 CAR TO B. Young→T. McMillan
4th Down Pass incomplete
4Q
7:09 JAX FG C. Little
36yd FG
4:47 CAR TD B. Young→C. Hubbard
27yd Pass
1:57 JAX FG C. Little
28yd FG
0:51 CAR TO B. Young→R. Dowdle
Intercepted by J. Lewis

全体の印象と課題点

守備の躍動とラン攻撃の爆発

JAXのディフェンスはLB Foye Oluokunを中心に、3ターンオーバーを奪って試合を支配しました。なお、昨年のターンオーバー数はリーグ最低の9個なので、初戦で全体の1/3を稼ぎました。いかに昨年のディフェンスがひどかったのかよくわかりますね。Oluokunは10タックルに加えてインターセプトとファンブルフォースを記録し、その2回のターンオーバーが10得点に結び付きました。CB Jourdan LewisOluokunが奪ったファンブルをリカバーし、終盤には片手でボールを奪い取るインターセプトで勝利を決定付けました。ラン攻撃ではRB Travis Etienneが16キャリー143ヤードと大暴れし、71ヤードの独走からWR Brian Thomas Jr.のエンドアラウンドTDを演出。チーム全体で200ヤードのランを稼ぎ総獲得378ヤードと、CARの255ヤードを大きく上回りました。

パスオフェンスとペナルティの課題

QB Trevor Lawrenceは19/31で178ヤード、1TD、1INTとまずまずの内容でしたが、後半のパス攻撃は失速し、3Qは無得点に終わりました。さらにチーム全体で11個・93ヤードものペナルティを犯し、攻撃のリズムを自ら崩したのは反省点です。ただしサックは一度も許さず、強力なランブロックで試合をコントロールしました。

📈 Stock Up

HC Liam Coen

昨年と比較しても明らかにプレーコールが改善しました。モーションの多用、予測のしにくいオフェンス、ランプレーのデザイン、どれもが素人目に見ても大幅に昨年と異なりました。正直言ってこの試合でプレーコールが悪くて止まったオフェンスはほとんどないと思います。これは今後も期待大です。

また記録として以下を達成しました。

  • 今年の6人の新人ヘッドコーチの中で唯一開幕戦勝利
  • デビュー戦で勝利を収めた初めてのJAXのヘッドコーチ

雰囲気も最高ですね。このまま続いてほしいです。

RB Travis Etienne Jr.

ETNは143ヤードとキャリア2番目のパフォーマンスを披露。キャリアで最も長い71ヤードのビッグランで攻撃に勢いを与え、2023年12月31日以来となる100ヤード超えを達成しました。以前よりも視野がよくなっていた気もしますが気のせいでしょうか。

この試合の後にBigsbyがトレードされたこともあり、今年のRB1の座を確実なものとしました。もともとポテンシャルの高い選手ではありますし、Coenのオフェンスでは今後も重用されることが予想されます。トレードされるかもなんて言ってすみませんでした。もしかしたら契約延長もあるのかもしれませんね。

TE Brenton Strange

パスキャッチャーとしてもブロッカーとしても素晴らしい活躍を見せました。4/4、59ヤードで、4回のうち3回が1stダウン更新と要所でLawrenceとのコネクションを見せました。Engramの穴を気にする必要はないかもしれません。スタッツとしてもパスキャッチのEPA (Expected Points Added)がTEでトップとなっていたようです。

またブロッカーとしても存在感を示しました。ETNのロングランのときも重要なブロックをしていました。

他にもTre'Von Moehrigをノックアウトする素晴らしいパワーもみせています。

OL陣

相手のディフェンスが悪かったこともあるとは思いますが、ランブロック、パスプロテクションともに想像以上の結果となりました。ラン200ヤード超えも2022年のWeek6のIND戦以来とのことです。

パスに関しては左側から少しプレッシャーは5回ほどあったもののLawrenceがプレッシャーを受けた割合は18.2%とリーグでも最低、許したサックは0とほぼシャットアウトしたかたちとなりました。ちなみにJAXの歴史上開幕戦でサックを許さなかったのは2回目とのことです。

いろいろな指標でブロックがよかったことは示されています。去年ならいくら相手があまりよくなかったとしても1試合だけだとしてもこんなことは考えられませんでした。

LB Foye Oluokun

ディフェンスのリーダーとして10タックル、インターセプト1回、ファンブルフォース1回と大活躍。彼のプレーで奪ったターンオーバーが直後のTDやFGに繋がり、試合の流れを決定付けました。今年は復活の年になりそうですね。ついにプロボウルも見えてくるかもしれません。

CB Jourdan Lewis & S Eric Murray

新加入のDB陣が存在感を示し、LewisはファンブルリカバーとワンハンドINTで勝利を決定付けました。またCBブリッツによるあわやサックという場面も見られました。Murrayも素晴らしい反応からOluokunのインターセプトを誘うチッププレーを見せ、バックエンドが機能したことは今後に繋がります。

LewisMurrayはカバレッジのEPAも全体の13位と17位にランクインするなど上々です。

MurrayはタックルミスがTDに直結し、LewisWingardのPick6をホールディングで取り消し、という大きなやらかしがありはしましたが、評価はかなり高いのではないでしょうか。なによりFAで獲得した2人がこれだけ活躍する、というのはうれしいですね。昨年はFAが全滅していましたし、その前も高額な割に…というのがほとんどだったため今回は適切にチームにフィットする選手を補強したのだと実感できます。

K Cam Little

この日も正確無比で、35、47、36、28ヤードのFGを全て成功させ、PATも2本決めました。第4Qだけで2本のFGを決めて試合を締め、通算4本は自己最多タイです。60ヤード未満はもう何も不安はないですね。

ただ、キックオフは課題です。2回ほどサイドラインに出てしまい40ヤードからの開始となりました。今回は大丈夫でしたが、強豪チーム相手ではこれはかなり大きいです。次は修正してくれるといいですね。

📉 Stock Down

攻撃の規律とペナルティ

開幕戦の最大の懸念は規律面です。計11回・93ヤードの反則は、ドライブを自ら止めるものが多かったです。特に1Qの開幕ドライブでは連続ホールディングで後退し、キッキングでも短いキックやアウト・オブ・バウンズがあり、強豪相手では命取りになりかねません。Coenも何度も言っていますからね。なかなかすぐには改善しないでしょうか。次のCIN戦はそんなことしてたら勝てませんし、なんとかしてほしいですね。

Brian Thomas Jr.

1試合で別に評価をそんなに落とす気は全くありませんし、彼なら大丈夫だと思っていますが、この試合に限って言えば残念でした。

もちろんこのリバースからのTDは素晴らしかったと思います。

しかし、それ以外は7回ターゲットになってキャッチは1回のみ。Lawrenceとの連携がまだ開幕直後でいまいちだったんでしょうか。次には立て直してもらわないとですね。

ランディフェンス

Campanileはまずはランを止めることを重視するとずっと言っています。しかし今回の試合では特に序盤にインサイドのランが止まらずにずるずると進まれる場面が目立ちました。後半は立て直して最終的には1回あたり4.5ヤードとそこまで劇的にひどくはなかったのですが改善の余地ありですね。PFFのランディフェンスのグレードでもHamiltonSaundersJohnsonは特に悪く、フロントでよかったのはWalkerくらいでした。次戦はOLが一番の弱点だと思うので次こそは結果を出してほしいです。

❓Questionable

QB Trevor Lawrence

178ヤード、1TD、1INTと数字は控えめながら前半は効率的に進められていました。しかし後半の失速やJaycee Hornが素晴らしかったとはいえややアンダースローでインターセプトを喫するなど不安要素も残しました。実際プレーコール上は通っているプレーが多かったですからね。今後もゲームマネジメントを続けながらビッグプレーを狙えるか注目されます。

まとめと今後

JAXは圧倒的なランと守備力で新体制初戦を白星で飾りました。相手が低調なチームだったことを差し置いても素晴らしい滑り出しです。ETNOluokunといった攻守の柱が躍動した一方、ペナルティやパス攻撃の課題も顕在化しました。次戦はCINでのアウェー戦が控えており、強敵に向けて規律の改善とパスゲームのテコ入れが必要です。今後の成長に期待しましょう。