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NFL Jacksonville Jaguars(ジャクソンビルジャガーズ)の応援ブログ

【2025 Trade】WR Jakobi Meyers獲得!!ーケガ人続出のWR陣を救う即戦力ー

2025年11月5日(日本時間)、トレード最終日にJAXLVからWR Jakobi Meyersをトレードで獲得しました。個人的には高くついたとは思いますが、それでも現状必要なトレードだったと思います。DL、Sなどの穴について今後どうするのかはわかりませんが、まずは直近の問題を修復したというところでしょう。

トレード概要

JAX Receive
  • WR Jakobi Meyers
LV Receive
  • 2026 Conditional 4th RND*
  • 2026 6th RND (from NYJ)

*4巡2つのうち順位の高い方

選手詳細

経歴

ジョージア州リトニア出身で、Arabia Mountain High SchoolからNC Stateに進学。大学入学時はQBとして登録されましたが、後にWRに転向しています。

大学での転向後、2018年シーズンに92レシーブ、1,047ヤードを記録し注目を集めましたが、2019年NFLドラフトでは指名されず、UDFAとしてNEと契約しました。そこでWRとしての地位を築き、2020年にはチームトップのレシーブ数とヤードを記録。2021年には自身初のタッチダウンも挙げました。

2023年オフにLVへ移籍し、2024年にはキャリアハイとなる87レシーブ、1,027ヤード、4TDをマークし初の1,000ヤード超え。2025年シーズンは開幕からLVでプレーし、トレード時点で33レシーブ、352ヤードを記録していました。

ストロングポイント

高いフットボールIQ

高校~大学時代にQBを経験し、ゾーンの空きやホットルートを読む力が身に付いています。ラインやディフェンスの変化に合わせて素早くフリースペースに移動でき、QBにとって「セーフティーバルブ」となる存在です。

シュアハンド

大学時代から培ったハンドスキルでドロップが少なく、2024年から現在までドロップ率は1.1%で1000ヤード以上記録している選手では4番目とのことです。

また、キャリア全体を通しても2.7%、今シーズンは2.0%と非常に優秀です。なお、JAX全体のドロップ率はリーグワーストで、主なレシーバーの今年のドロップ率は以下。

選手名 ドロップ率
BTJ 15.0%
Travis Hunter 4.4%
Dyami Brown 11.8%
Parker Washington 6.8%
Brenton Strange 4.2%
Hunter Long 11.8%

HunterStrangeは印象通りドロップが少ないのですが、その他はなかなかひどいです。しかもけっこうクラッチな場面でのドロップが多い印象です。

また別のデータがあります。

これが正しければキャッチ可能なターゲット数、エアヤード数でいずれもリーグで4番目とのことです。つまりドロップさえ少なければかなりいいオフェンスができる可能性があります。

コンテステッドキャッチ

身体がそこまで大きいわけではありませんが競り合いにも強く、昨年のコンテステッドキャッチ率は66.7%と全体でも85回以上ターゲットされたWRの中でOdunzeMcLaurinについでAmon-Ra St. Brownと並んで3位タイとなっています。先日のLV戦でもよかったです。特に今年はBTJが競り合って当たられると必ずと言っていいほど落とすので、そこで落とさず確保できるWRというのは今は特に貴重です。

中距離のチェーンムーバー

短中距離での確実なキャッチが得意で、3rdダウンなどチェーンを進めたい場面で頼れる存在です。2024年に1,000ヤード超を記録した際も、爆発的なロングゲインより一貫したゲインでオフェンスを支えました。

柔軟なポジショニング

アウトサイドでもスロットでも起用でき、相手ディフェンスやゲームプランに応じて配置を変えられる点が大きな強みです。NE時代は主にスロット、LVでは昨年まではアウトサイド、今年はスロットが多めだったようです。

ウィークポイント

縦に一気に突き抜ける爆発力はエリート級WRと比べると平均的で、ディープスレットとしては物足りないです。また中距離のルートでは安定している一方で、フェードやディープオーバーなど縦方向の複雑なルートではまだ伸びしろがあると指摘されています。また、2024年の1,000ヤードシーズンでも4TDと、フィールドを広く使うビッグプレーメーカーほど得点には結び付いていません。

プレースタイル

Meyers3rdダウンのチェーンムーバーとして価値が高い選手で、スティックやスラント、クロスなど中短距離のルートで確実にキャッチを決めます。ゾーンディフェンスに対しては空いたエリアに止まってパスを受け、マンカバー相手にはタイミングの良いブレイクでセパレーションを作ります。また身体を張ってキャッチ後に数ヤード稼ぐYAC力もあり、コンテストキャッチでも信頼できます。

シーズン別主要スタッツ

Year Team Tgt Rec Yds TD aDOT Drop%
2019 NE 41 26 359 0 10.3 4.9
2020 NE 81 59 729 0 10.2 4.9
2021 NE 126 83 866 2 9.8 2.4
2022 NE 96 67 804 6 9.9 4.2
2023 LV 106 71 807 8 9.7 1.9
2024 LV 129 87 1,027 4 9.6 0.8
2025 LV 49 33 352 0 8.8 2.0

今後の展望

現在、JAXはケガ人に悩まされています。BTJは軽度足関節捻挫(low-grade high ankle sprain)で、数日から1週間程度の欠場が見込まれています。HunterはACL損傷は免れたものの、膝の負傷により少なくともあと3週間はIRに留まる見込みです。Dyamiも脳震盪や肩のケガなどで出場が微妙な状況にあり、さらにBrenton Strangeも復帰まで2週間ほどかかる見込みです。

直近のLV戦では、Parker Washingtonを中心に、PSから昇格したTim JonesAustin Trammellを起用し、なんとか試合を成立させていました。しかし、これを数週間続けるのは現実的ではありません。

その中で、一定の実績を持ち、シュアハンドなWRを補強することは急務でした。その条件に最も合致したのがJakobi Meyersだったと言えるでしょう。

対価として支払ったのは2026年の4巡(高い方)+6巡指名権。確かに来季FAとなる選手の価値としてはやや高めに映ります。ただし、PITも交渉に動いていたとの報道もあり、補強が不可欠だった現状を考えれば、やむを得ない判断と言えます。

今後数週間は、主力WRの復帰までMeyersが事実上のWR1としてチームを支えることが求められます。Lawrenceにとっても、確実に信頼できるターゲットを得たことは大きな意味があります。爆発的なスピードや派手な数字こそ期待しづらいものの、チェーンムーバーとしてオフェンスを安定させる役割を十分に果たしてくれるはずです。

主力復帰後はDyamiを押しのけてWR3ポジションを維持できるかが焦点。もし安定した活躍を見せれば、オフの再契約交渉ではDyamiより優先される可能性もあります。

今回のトレードで2026年ドラフト指名権を2つ放出しましたが、それでも保有指名権は11もあります。GM Gladstoneのドラフト戦略への信頼は依然として厚く、選手層の厚みを確保できている点は評価できます。もっとも、現時点でルーキーからスターターに定着しているのはHunterのみ。Roster全体の底上げには貢献しているものの、即戦力としての成功例が少ないのは懸念材料でもあります。来季はLiam Coen体制2年目として、よりスキームに合った指名が期待されます。

総合的に見れば、トレードの対価はやや高めだったものの、現在のチーム事情を踏まえると非常に理にかなった補強です。Meyersの安定感は攻撃のリズムを立て直す上で大きな助けとなるはずです。次戦のHOU戦から、Lawrenceとの新コンビに注目したいところです。