Jaguars Note

NFL Jacksonville Jaguars(ジャクソンビルジャガーズ)の応援ブログ

Conference 4-2 NFC 3-2 Home 4-2 Away 3-2 Streak W2

【2025 Combine】Press Conference② -James Gladstone-

少し経ってしまいましたが、Scouting CombineでのGMの記者会見のまとめです。

フル動画は以下。

www.youtube.com


Brad Holmesから得たもの

LARに入った時、現DET GMのBrad Holmesはカレッジディレクターを務めていた。彼からはスカウティングの基礎から選手評価の最終プロセスまで、業界全体の仕組みについて多くのことを学んだ。

DETで成功を収めた彼のやり方には、自分たちがこれから優先していくことと多くの共通点がある。その中でも「無形の資質(intangibles)」を重視する姿勢は、今後も大切にしていきたい

自身の現状

現在はインディアナポリスに滞在しているが、数日以内にジャクソンビルに戻る予定。そこで新居を探し、より長期的に住める場所を見つけたい。

妻が妊娠中で5月末に出産予定であり、できるだけ早く準備を進めていきたい。

選手とのインタビューで重視するポイント

選手とのインタビューでは、以下のポイントを重視。

  1. フィルムを通じた自己分析
    選手が自分のプレーをどれだけ正確に理解し、言語化できるかを確認する。
  2. チームの戦術用語をどれだけ素早く理解できるか
    チームの用語を使って説明し、どれだけ早くそれを理解できるかを見極める。
  3. 柔軟な評価姿勢
    20分程度の会話では、選手の全てを理解することはできないし、選手たちはコンバイン期間中はスケジュールが詰まっており、その時のコンディションが最良なのか最悪なのかはわからない。そのため、面談の結果を絶対視せず、あくまでも一つの参考情報として捉える。

NFLコンバインの価値

自身は2019年以来の参加となるが、NFLコンバインへは大きな価値があると考えている。特に今回は、新しいコーチングスタッフ、新しいGM、新しいスカウティングチームの体制になっており、ジャクソンビルの通常業務では得られない「チームとしての結束」を高める絶好の機会になる。

現在プロスカウティングスタッフやコーチングスタッフとミーティングを行い、Rosterの見直しやFA市場の動向分析を進めている。同時にドラフト戦略についての議論も始まっており、非常にダイナミックな状況になっている。

Liam Coenについて

彼は優れたコミュニケーターであり、その能力によって多くのギャップを埋めることができる。

彼のオフェンス哲学の重要なポイントは、ランとパスのバランスをとること、スクリーンプレーの多様性、ラン攻撃のバリエーションにあり、これらはチームにとって大きなアドバンテージになるだろう。そういった点は、これからチームに加わる全員がすぐに実感できるだろう。

ドラフトへの影響

スケジュールの遅れは全く影響しないと思う。むしろ、自身が繰り返し話してきた「選手選びの優先事項」、つまり、選手の本質的な特性を見極め、チームに最適な人材を確保するというアプローチを一貫して進めていく。

この考え方は、選手だけでなく、コーチ陣やスタッフ全員にとっても価値のあることになる。

今年のドラフトについて

今ドラフトの選手層について、全体的に非常に気に入っている。とても魅力的なグループだと思う。

組織の構造とリーダーシップ

この仕事の魅力的な点の一つが、リーダーシップ構造やチームのダイナミクスが、自身がLARで経験したものと似ており、成功するための明確なビジョンを持つことができた。EVPのTony (Boselli)やHCのLiam (Coen)と協力して、Liamのビジョンを実現することをとても楽しみにしている。この数週間、そして春の後半のドラフトに向けて、全力でサポートしていきたい。

適応力とリーダーシップの発揮

タイムラインの観点では、基本的にLARにいたときと変わらない。もしLARにいたとしても、この時期はFAに関する議論を行なっていたし、今でもJAXで同じことをしている。ただし、「新しい環境に慣れる」という意味では、自分がJAXの現在のオペレーションに適応する必要がある。しかし、それは自分一人の適応であり、大きな組織変革が求められるわけではないため、比較的効率的かつスムーズに進められるだろう。

この業界では適応力が非常に重要なスキルであり、それを実践し、チーム全体にその姿勢を示すことが重要だと思っている。そして、自身も新たな視点を学ぶ機会を得られることを楽しみにしている。これまでの経験を通じてスポーツの発展に関わるツールや手法について深く理解していると感じているが、別のやり方を取り入れることも楽しみにしている。

チーム作りの優先順位

まずはOL、DLを強化することを優先したい。そして、得点に直接関与するポジションにも重点を置きたい。それに加えて、チーム全体をバランス良く構築することが重要。

新しい環境について

自身が新たな視点を持ち込むことができるため、現在の状況を強みと考えている。LiamとTonyも同じく新しい環境にいるため、チームとして新しい方向に進むことができる。

また自分は現代のスポーツを変革するためのツールや手法について深い理解を持っており、自分の年齢や経験年数を制約とは考えていない。それよりも自身のスタイルやアプローチが競争の中で大きな強みになると信じている。

チームの現状評価と今後の展望

このチームには、昨シーズンの4勝という成績以上の力があると考えている。そのポテンシャルを引き出し、より高いレベルへと引き上げることを楽しみにしている。すぐにでもRosterの底上げを進め、より競争力のあるチームにしていく。

Trevor Lawrenceについて

まだTrevorのベストなプレーは見られていないと思う。だからこそ、Liamが彼と一緒に仕事をし、彼の持つツールを最大限に引き出せることを楽しみにしている。

そのためにはまずはプロテクション(OLの強化)が最優先。彼ができるだけ長く時間を確保できるようにすることが重要。同時にレシーバー陣との相性や快適さも考慮しなければならない。その視点でチームを編成すれば、スキームの面でも、加わる選手の面でも、大きな変化を感じられるはず。

Christian Kirkについて

彼は怪我をする前にトレードの噂があったが、現時点ではそういった話はない。今はスカウティングスタッフとコーチングスタッフの間でRosterやFAについて議論を始めたばかりであり、現状としてはChristianがチームにいることを嬉しく思っている。

ドラフトプロセスで好きなところ

一番好きなのは「バンカー(作戦室)」にこもって、スタッフと一緒に作業すること。チームとしての一体感を築き上げ、誇れる組織を作っていく過程が、最もやりがいを感じる部分。

ディフェンスで最も重要な選手の特性

最も重要なのは「ディスラプション(相手のプレーを崩す能力)」を生み出せること。このようなカオスを作り出すことで、相手のオフェンスが機能しにくくなる。

そのため「緊迫感(Urgency)」と「爆発力(Explosiveness)」を兼ね備えた選手を重視している

RBの状況について

RBの状況には変化が起こっていると感じるし、それは自分たちが優先的に取り組む課題の一つ。

昨シーズンのLiamのランゲームの成功を見れば、それがいかに重要な要素であるかがわかる。我々もこの部分を非常に重視している。

NFLの戦術は常に進化しており、相手のディフェンスの非効率的な部分を突く方法を模索することが不可欠であり、もしかすると今まさにそういったトレンドが現れているのかもしれない。

今年のドラフトではRBの層が非常に厚いクラスだと思う。

同大学出身の選手をセットで獲得することについて

確かにそれには価値があると思う。そうした勢いを利用することは、チームにとって非常に大きなメリットになる。

同じチームやシステムでプレーした経験のある選手同士が一緒にプレーすると、相乗効果が生まれる。ここの選手が単独でプレーするよりも、よりスムーズに適応でき、即戦力としての影響も大きくなる。そのため、そうした機会があればぜひ活用したいと考えている。

ディフェンスの展望

我々のディフェンスは「緊迫感」と「爆発力を」持つ集団になる。昨シーズンとは異なるスタイルとなり、ファンにも大きな変化を感じてもらえると思う。


まとめ

Gladstoneが重視していたことは

  • Rosterの底上げ
  • Lawrenceを中心としたオフェンスの強化
  • ディフェンスの爆発力向上
  • ドラフトとFAを駆使した即戦力確保
  • 「無形の資質」を持つ選手の重視

などでした。Coenの内容と被るところもあり、つまりは同じビジョンを共有できていると考えていいのではないでしょうか。

つい数時間前にJAXを支えたKirk、Engramをはじめとした数名の選手がリリースされ、すでに大きな変化が起ころうとしているようですが、それについてはまたまとめようと思います。現地ファンの中では今までコアとなっていた選手のリリースにショックを隠せずすでにGMを疑う意見も出ていますが、それはあまりに考えなしでしょう。彼らのカットは合理的ではありますし、今後のビジョンがしっかり見えている状態であれば、適切な補強がなされるはずです。さすがに1年目からプレーオフ、というのはそもそも難しい話ですし、まずは土台を作ってもらって数年後のSBを目指してもらいたいです。あのDETですら初年度から勝っていたわけではないですからね。

僕は現時点では全くGMを疑ってはいないので、彼らのリリースは悲しくはあるもののむしろ今後の楽しみの方が大きいです。今後も動向を見守りたいと思います。